魚屋売り場で魚の鮮度が気になったら何を見る?

今日は魚が食べたいっ!と思い鮮魚店やスーパーマーケットの魚売場に並べられた魚の何を見て魚の鮮度を判断しますか?

参考写真1:鮮度の低い魚(上)と鮮度の高い魚(下)

こうして沢山ある魚が鮮度を分けて陳列されていれば一目瞭然ですが、魚種が少なく、陳列数が少ない小さな鮮魚店や個別にパック包装されている大型店舗、又は衛生上の問題から魚自体を触れる売場が減少しているのが実情です。

エラの色を鮮度の判断材料とすることは間違っていませんが、魚を直接触れない場合、氷水に浸してある場合(鮮度が高くともエラが白くなる)など購入者にとって選定のハードルを高める環境が一般化しています。

そんな時に判断の材料にしたいことを記してみようと思います。

見た目(魚体の艶・色など)が一番大事!

参考写真2:鮮度全景1

この魚の鮮度は如何でしょう?

参考写真3:鮮度全景1のエラ

エラの状態はこんな感じです。

参考写真4:鮮度全景2

参考写真3と参考写真4を比べると魚体表面の艶と色が明らかに異なることがわかります。このように表面の艶は魚体の鮮度を表す一番の指標となり、業界ではビカビカの魚!などと表現されることがあります。

魚体の色そのものは同じ産地であっても違いはあります。人間で例えるなら同じ日本人でも肌の白い・黒いが有る様に。

とはいえ色素がはっきりしている個体は鮮度高めと判断できることが多いです。

参考写真5:鮮度全景2のエラ

エラの色も参考写真5のエラの方が鮮やかな赤と白のコントラストを描く色をしているのがわかりますね。但し売場でエラの確認ができないことを前提にお話ししているためあくまで参考として下さいね。

赤ハタ

鮮やかな朱色が特徴的なこの魚(通称:赤ハタ)ですが、主に長崎や熊本、三重、三宅島や八丈島と暖かい海域で広く生息する魚種として知られています。

ハタには和食で使われるクエ・アズキハタ(別名キジハタ)、大紋ハタ、キハタ(別名アオハタ)などの種類がいます。

赤ハタは身の閉まり具合や脂ののり方などとてもバランスの良い魚とされ、中国料理では石持と並んで一番人気の高級魚です。

ハタは種類(色)によって味はほとんど変わりませんが、繊維の密度が食感とそれに伴う脂の乗り方が異なるように感じます。

もちろん調理の腕や方法により感じ方も変わりますが、私は身のプリッとした感覚では

赤ハタ > 大紋ハタ = 小豆ハタ > キハタ

順で、売り場の金額も一致します。

クエは同じハタ科の魚ですが大型魚のため大衆魚としては不向きで売場で見かけることは滅多にありません。

そんなこともあり中国の方に言わせれば魚といえば ’赤ハタ’ というくらい愛されている魚なんです。

鮮度の低い魚例

鮮度が高ければ基本的にどんな魚も生で(刺身)で食べることができますが、サバなど一定の魚種はヒスタミン中毒を起こすため一般的に生では食べることはありません。

良く報道されるアニサキスの問題とは異なります。

釣った直後からエラや内臓の掃除を行うなど、細心の注意を払う必要があるため自分で釣った鯖を適切に処理し、自己責任で食べる、というのが通例となります。

1 レンコ鯛

参考写真6:鮮度の落ちたレンコ鯛(全景)
参考写真7:鮮度の落ちたレンコ鯛(エラ)

レンコ鯛:一見すると真鯛と思われるかもしれません。実はレンコ鯛は鮮度が落ちると魚体表面の色素が抜け落ち、真鯛のような見た目に変わります。エラの状態もドロっとしたゼリー状の見た目に変化し釣られてからの時間の経過を物語っています。

参考写真8:左 真鯛(小鯛)、右 レンコ鯛

2 飛魚

参考写真9:鮮度の落ちた飛魚(全景)
参考写真10:鮮度の落ちた飛魚(エラ)

飛魚:通常背の部分が青色の宝石のように鮮やかに澄んだ魚ですが、鮮度が落ちるとこの様に魚体表面が黄色に変色していることが確認できます。エラも鮮やかさが失われ赤茶色に変化しています。

3 真鯖(サバ)

参考写真11:真鯖(サバ)鮮度の落ちた状態
参考写真12:鮮度の落ちたサバ(エラ)

魚の鮮度の落ちやすさは魚種によって時間が異なります。一般的にアジ、鰯、サバなどの青魚と呼ばれる魚種は魚体表面が変色しやすく、黄色からやがて茶色っぽく変色します。従って刺身として生で食べられる時間も短いということになるわけです。

参考写真13:氷水に入った魚

この様に氷水に漬けられた状態で売場に陳列されているものを見かけたことはありませんか?

魚は水から揚げられた生き物です。鮮度を保つために氷水に浸けて販売するわけですが、鮮度を優先する反面、水に浸かっているためエラが白くなり易い(劣化したように見える)というデメリットもあります。

通常、海水を使用し氷を入れます。氷も海水で作ったものがより良いです。

海で生息する魚は海水(塩水)の環境で生きているため、水道水など海水(塩水)に浸けておくだけで一気に鮮度が落ちていきます。

氷水で漬けられた状態で売られている魚は通常手に取ってみることができるので、魚体表面の艶確認してみて下さい。表面の艶がありエラが鮮やかであれば鮮度が高いと言えます。

注意:魚体表面(見栄え)は釣りと網では異なる

これまで魚体表面の艶や色が鮮度を見分けるポイントと記載してきましたが、魚は魚種によって釣り糸を使って釣るケースと網を使って獲るケースがあります。

当然同じ魚種でも釣り魚と網獲り魚が有るわけです。

釣り魚は魚体が重なって擦れることが少なくとても綺麗な状態です。

反対に網獲り魚は複数の魚が大きな網に入って釣られるため、魚体同士が擦れてしまい特に鱗のない魚(太刀魚など)は擦り切れて傷を負った見た目で売場に並んでいることもあります。

従って魚種によっては魚体表面の艶や色だけで判断できないこともあるわけです。

そんな時はこの魚の鮮度はどうですか?と聞いてみて下さいね。

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